皆様
いつもお世話になっております。株式会社AMI代表の川口です。お忙しい中、コラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
前回は、開業直後に成功するためには「顧客視点に立ったマーケティング戦略」が不可欠であることを解説しました。
今回はその中でも特に重要な、WEBマーケティング戦略の全体像について、開業前から開業後までの流れを追いながら具体的にご紹介します。
今や、患者様が歯科医院を選ぶ際の第一接点は「WEB」です。つまり、WEBの準備を怠ることは、開業時に「誰にも気づかれずに始める」ことと同義です。裏を返せば、開業前から準備をしっかり進めておけば、競合と差をつけた状態でスタートを切ることができます。
■フェーズ1:開業“前”にやるべきWEBマーケティング施策
① マーケットを正確に把握する
WEBマーケティングの第一歩は、「地域でどんな検索がされているのか」を知ること。患者様は「地域名+症状・診療科目」などで検索することがほとんどです。
- 「〇〇市 歯医者」
- 「〇〇駅 矯正歯科」
- 「〇〇区 小児歯科」など
これらのキーワードをリストアップし、どの医院が最も検索されていて、競合がどこかを分析します。ここでの分析が甘いと、サイトを公開しても検索に引っかからず、ほとんどアクセスが来ません。
② 競合医院のWEBサイトを研究する
検索上位に出てくる医院は、それだけでWEB上の競争に「勝っている」医院です。以下のような視点で分析してみましょう。
- デザイン・色使い
- コンテンツ量(特に症例・スタッフ紹介・料金)
- 専門性の訴求(インプラント・矯正・小児など)
- 口コミ・Googleマップ評価
ここから、「自院がどう差別化できるか」「自院は何を強みに見せるべきか」が明確になります。
■フェーズ2:開業直前〜直後にやるべきWEB施策
① 仮ページの早期公開とLINE導入
正式なホームページが完成する前に、まずは「仮ページ(ティザーサイト)」を公開しましょう。
- 医院名・診療内容・開院予定日
- 簡単なプロフィールやコンセプト
- LINE登録フォーム
このタイミングでLINE公式アカウントを開設し、仮ページに「LINE登録特典」などを用意して登録を促すのがおすすめです。これにより、開業時点で既に見込み患者リストが手元にある状態を作ることができます。
② SNSと連動した情報発信
Instagram、X(旧Twitter)、Facebookなどを活用して、開業準備の様子や院内紹介などを発信しましょう。これは、医院の“温度感”や“人となり”を伝える重要な手段です。
- スタッフ紹介
- 内装の工事風景
- 器具のこだわり
- 開院イベントの告知 など
SNSはあくまでも「医院のファンづくり」の場。フォロワーを数百人でも集めておけば、開業時点での集患力は格段に変わります。
③ WEB広告の設計と運用スタート
開業の1ヶ月前には、Google広告・Yahoo!広告の配信を開始するのが理想です。
- 検索連動型広告(リスティング広告)
- 例:「〇〇市 歯医者」「〇〇駅 インプラント」などの検索に連動
- Googleマップ広告(ローカル検索広告)
- マップ上での医院の視認性が向上
- 除外キーワード・地域設定の最適化
- 「無料」「求人」など集患に不要な検索ワードを除外
- 商圏(駅3km圏内など)に絞って広告を出すことで無駄を削減
特に開業初期は、広告の“クリック単価”よりも“集患効果”を優先すべきです。最低限の広告予算でも、しっかり設計すれば結果を出せます。
■フェーズ3:開業後の運用と改善
① アクセス解析とSEO改善
Googleアナリティクスやサーチコンソールを活用して、どんな検索で流入しているかを把握します。見られていないページは改善、人気ページはさらに強化していきます。
また、SEO(検索エンジン対策)では、以下のような要素を意識します。
- ページタイトルやメタディスクリプションの最適化
- コンテンツの充実(特に症例・ブログ)
- モバイル対応の強化
- MEO(Googleマップ最適化)の継続対策
② 症例と口コミを“実態の証明”として活用
AMIが提唱するWEBサイト3.0時代では、患者様は「実態」を見て医院を選ぶ時代です。つまり、
- 治療のビフォーアフター症例
- 実際の患者様の声(Google口コミ)
- 在籍スタッフや院内設備の写真
これらが信頼獲得の決め手になります。特に、症例数の多さと見せ方の工夫が差別化ポイントになります。
■まとめ:WEBは医院の“もう一つの玄関”
開業直後の勝負は、WEBの出来で8割決まるといっても過言ではありません。患者様は、来院前にすでに「WEB上で比較・検討」しています。その段階で選ばれなければ、チャンスは一度も訪れません。
だからこそ、開業“前”から動き出すことが鍵となります。
次回は、WEBと連動した「顧客関係管理(CRM)」と「リピート戦略」について、さらに深掘りしていきます。
【次回予告】
公式LINEと院内オペレーションで、患者様との関係性を深め、リピート率を最大化する方法とは?についてお伝えさせて頂きます。