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2026/01/26

2026年度診療報酬改定の個別改定項目から読み解く歯科医院経営

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目次

― 中医協答申から読み解く、これから勝ち続ける歯科医院経営戦略 ―

中央社会保険医療協議会(以下、中医協)は、1月23日に行われた中医協総会で、2026年度診療報酬改定の個別改定項目についての答申結果を発表しました。

歯科部分のみ抜粋した資料は以下です。

https://mie-hok.org/info/detail?id=10310&download=10313

今回の4つの柱は以下になります。


また、今回のポイントを上げると以下になります。

基本診療料の引き上げと物価高騰への対応

・歯科初診料・再診料の引き上げ

・【新設】 物価高への段階的対応として「歯科外来物価対応料」を新設 

歯科医療従事者の処遇改善(賃上げ)の推進

・【新設】 スタッフの賃上げを目的とした「歯科外来・在宅ベースアップ評価料」の新設

・【新設】 歯科技工士の処遇改善を支援する「歯科技工所ベースアップ支援料」の新設

ライフコースを通じた口腔機能管理の推進

・歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料、口腔機能管理料の算定要件および体系の見直し

・小児の咬合機能獲得を目的とした「小児保隙装置」の評価拡充(可撤式・修理等の新設)

歯周病治療の再整理と医科歯科連携の強化

・歯科技工士との連携体制(対面・ICT活用)の評価整理

デジタル化の推進と補綴治療の適正化
CAD/CAM冠・インレーの要件緩和および「光学印象」の対象拡大

・【新設】「3次元プリント有床義歯」に係る評価の新設

局部義歯のクラスプ・バーにおける使用材料(コバルトクロム合金)の原則化

在宅・地域歯科医療の提供体制の確保

・在宅療養支援歯科診療所の施設基準および加算の細分化

・【新設】 歯科巡回診療車等を用いた「地域歯科医療加算」の新設歯科医療従事者の処遇改善(賃上げ)の推進

歯科医療における初再診料等の評価の見直し

具体的な内容

診療所については初・再診料等について所要の点数の引き上げを行い、病院については診療所の引き上げと同じ点数を病院の初・再診料において引き上げる。

改定案

歯科初診料:●●点(現行 267点) 

地域歯科診療支援病院歯科初診料:●●点(現行 291点) 

歯科再診料:●●点(現行 58点) 

地域歯科診療支援病院歯科再診料:●●点(現行 75点) 

歯科外来物価対応料の新設

具体的な内容

令和8年度および令和9年度における物件費の更なる高騰に対応する観点から、基本診療料等の算定に併せて算定可能な加算として新たな評価を新設する。令和9年6月以降は、所定点数の100分の200を算定する段階的措置を導入する 。

改定案

歯科外来物価対応料(初診時):●●点(新設) 

歯科外来物価対応料(再診時):●●点(新設) 

歯科疾患管理料、小児口腔機能管理料および口腔機能管理料の見直し

具体的な内容

かかりつけ歯科医による歯科疾患・口腔機能の管理を推進するため、管理実態や対象患者の範囲拡大を踏まえ、要件および評価を見直す。

改定案

歯科疾患管理料:●●点(現行 100点) 

小児口腔機能管理料:●●点(現行 60点) 

口腔機能管理料:●●点(現行 60点) 

小児の咬合機能獲得に向けた対応の充実

具体的な内容

小児の咬合機能獲得の観点から、診療実態を踏まえ、小児保隙装置の評価見直しとともに、装置の調整や修理に係る新たな評価を行う。

改定案

小児保隙装置(固定式):●●点(現行 600点) 

小児保隙装置(可撤式):●●点(新設) 

歯科口腔リハビリテーション料1(小児保隙装置の場合):●●点(新設) 

周術期および回復期等の口腔機能管理の拡充

具体的な内容

医科歯科連携を推進する観点から、患者の状態変化等により管理計画の修正を行った場合について、新たに評価を行う 。

改定案

周術期等口腔機能管理計画策定料2:●●点(新設) 

回復期等口腔機能管理計画策定料2:●●点(新設) 

継続的・効果的な歯周病治療の推進

具体的な内容

全身の健康に繋がる歯周病治療を継続的・効果的に推進する観点から、従来の「歯周病安定期治療」と「歯周病重症化予防治療」を実態に即して整理・統合し、名称を改める。

改定案

歯周病継続支援治療(1〜9歯):●●点 

歯周病継続支援治療(10〜19歯):●●点 

歯周病継続支援治療(20歯以上):●●点 

重症化予防の推進

具体的な内容

糖尿病患者等に対し、他科からの紹介に基づき歯周病治療を実施し診療情報を提供した場合の評価を新設する。

改定案

重症化予防連携強化加算:●●点(新設) 

在宅・地域医療の連携強化

具体的な内容

在宅歯科医療の提供体制を確保するため、歯科医師臨床研修施設における教育体制や実績に応じた施設基準の見直しを行い、評価を細分化する。

改定案

在宅療養支援歯科診療所加算1:●●点 

在宅療養支援歯科診療所加算2:●●点 

歯科巡回診療に係る適切な推進

具体的な内容

歯科医療の確保が困難な地域等において、自治体等と連携して歯科巡回診療車を用いた巡回診療を実施した場合の評価を新設する。

改定案

地域歯科医療加算:●●点(新設) 

歯科衛生士による口腔機能に関する実地指導

具体的な内容

口腔機能の発達不全や低下を来している患者に対し、適切な研修を受講した歯科衛生士が歯科医師の指示を受けて口腔機能に係る指導を行った場合の評価を新設する。

改定案

口腔機能実地指導料:●●点(新設) 

歯科技工士の処遇改善と連携推進

具体的な内容

歯科技工所に勤める歯科技工士の確実な賃上げを図るため、補綴物等の製作委託を行った場合に算定できる評価を新設する。また、ICT等を用いた技工士との連携体制の評価を整理する。

改定案

歯科技工所ベースアップ支援料(1装置につき):●●点(新設) 

歯科技工士連携加算1(対面):●●点 

歯科技工士連携加算2(ICT活用):●●点 

歯科治療のデジタル化等の推進(CAD/CAM・有床義歯)

具体的な内容

CAD/CAM冠・インレーの評価および大臼歯の咬合支持等の要件を見直す。また、デジタル技術(液槽光重合方式)を用いて製作された有床義歯の評価を新設する。

改定案

CAD/CAM冠(大臼歯等):●●点 

CAD/CAMインレー:●●点(現行 750点) 

光学印象(1歯につき):●●点(現行 100点) 

3次元プリント有床義歯(1顎につき):●●点(新設) 

材料・技法の実態への適合

具体的な内容

局部義歯のクラスプ(鉤)やバーについて、製作の実態に即して原則として「コバルトクロム合金」を使用する運用へ見直す。

改定案

メタルコア(大臼歯・間接法):●●点(引き上げ) 

全部金属冠(大臼歯):●●点(引き上げ)

メンテナンスは「医科歯科連携型」へシフトしていく

今回の改定で特に重要なのが、
基礎疾患を持つ患者への歯科メンテナンスの位置づけ強化です。国の方向性は明確です。

歯科単独ではなく、医科と連携し、全身管理の一部として口腔管理を行う体制へ移行せよというメッセージが強く打ち出されています。


今すぐ準備すべき2つのこと

① 医科連携先の確保

まず必要なのは連携医療機関の構築です。

・内科
・糖尿病内科
・循環器内科
・透析クリニック

今後は「紹介し合える関係性」を持つことが、算定面と患者増加の両方で極めて重要になります。


② 基礎疾患患者のリスト化

次に行うべきは院内データの可視化です。

・糖尿病
・高血圧
・心疾患
・脳血管疾患

すでに来院している患者の中に対象者は必ず存在しています。
まずは「誰が対象か」を明確にすることが第一歩です。


点数が下がる時代こそ「メンテナンス設計」が経営を守る

今後は全体点数が伸びにくい局面に入ります。

重要になるのは、

・患者数をどう維持・増加させるか
・メンテナンスの生産性をどう高めるかこの2点です。


特に見直すべき3つのポイント

メンテナンス時間の設計

30分で行うのか?45〜60分で価値を高めるのか医院戦略として明確に設計する必要があります。


リコール率(戻し率)の改善

・定期案内の仕組み化
・LINEや自動リマインドの活用
・衛生士からの次回提案トーク

ここを改善するだけで売上は大きく変わります。


障害者歯科は今後の成長分野

現在は、高齢者より障害者人口の方が多いというデータも出ています。

国はその医療圏で
本当に必要な医療を提供する医院を評価する方向へ進んでいます。

これは過去の「かかりつけ歯科診療所強化」と非常によく似た流れです。

・今は対応医院が少ない
・今後評価が上がる分野

早期参入した医院が圧倒的に有利になります。


小児歯科・小児矯正は引き続き重点領域

小児分野では、

・口腔機能発達不全症
・成長段階に応じた管理
・予防と矯正の連動

この流れは今後も強化されます。

特に重要なのが年齢別アプローチ設計です。

医院として「年齢ごとの提案」を仕組み化することが成功の鍵です。

小児コンサルティングは以下です。


まとめ:今回の改定は「経営構造改革」のチャンス

今回の診療報酬改定は単なる点数変更ではありません。

・メンテナンス中心型医院への転換
・医科歯科連携モデルへの進化
・小児・障害者・予防医療の強化

これに本気で取り組む医院こそが、
今後10年勝ち続ける歯科医院になります。