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採用代行
2025/04/24

採用難時代を乗り越える!歯科衛生士採用を成功させるための実践ガイド

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日本の歯科医院が直面する大きな課題の一つに、「歯科衛生士の採用難」があります。少子高齢化、医療職全体の人材不足、Z世代の価値観の変化など、採用環境は年々厳しさを増しています。しかしその一方で、この採用難時代においても、優秀な歯科衛生士を確保し、定着・戦力化している医院は確かに存在します。

本記事では、当社(AMI)が実際に支援した事例や、他職種の採用・育成ノウハウも交えながら、採用成功のための具体的な戦略と実行ポイントをまとめた「実践ガイド」をお届けします。


歯科衛生士の採用が難しい理由とその背景

まず前提として、日本における歯科衛生士の有資格者数は年々増加しており、厚生労働省のデータによると30万人を超えています。しかし、実際に臨床で働いている「就業歯科衛生士」はそのうちの半数程度。いわゆる「潜在衛生士」の存在が、求人の難易度を一層高めています。

さらに、以下のような構造的な問題も絡んでいます:

  • 都市部への人材集中と地方の人材枯渇
  • 求人数の増加による「買い手市場」から「売り手市場」への変化
  • Z世代を中心とした価値観の変化(例:自己成長・働きやすさ・人間関係重視)
  • 産休・育休取得者の復帰率の低さ

つまり「求人を出せば来る」という時代は終わっており、医院の側が“選ばれる努力”をする必要があるのです。


採用成功のための3ステップ戦略

採用は「母集団形成→動機付け&クロージング→定着」の3段階に分けて戦略的に設計すべきです。

成功事例はこちらです。

Step1. 採用戦略(母集団形成)

1. 求める人物像の明確化 ― 採用戦略の起点は「誰に来てほしいか」

歯科衛生士の採用において最も重要な第一歩は、「誰を採用したいのか」を明確にすることです。これはただ「経験者がいい」「人柄が良い人がいい」といった抽象的な希望ではなく、医院のビジョンや診療スタイル、組織の課題と連動した“採用ペルソナ”の設計を意味します。

◆ 例:医院の状況から導く「欲しい人材像」

  • 予防歯科を強化したい
     → 患者コミュニケーションが得意で、長期的な関係構築にやりがいを感じるタイプ
  • 訪問診療を広げたい
     → 高齢者との対応に慣れており、臨機応変な現場力を持つ人
  • 小児患者が多い
     → 子どもとの信頼関係を築くことに長けた衛生士、保護者との会話が柔らかく丁寧な人
  • 新人の教育を任せたい
     → 教えることが好きで、後輩の成長を喜べるマインドを持った人材

このように、「医院が目指す方向」と「現場で求められるスキル・性格・価値観」を結びつけて明文化することで、採用方針がブレにくくなります。

以下の法人様の様に訪問特化も必要です。

◆ 求人文や面接に反映するための設問例

以下のような切り口で、院長やスタッフと一緒に「理想の衛生士像」を言語化するワークも効果的です。

  • 自院の課題は何か?(例:カウンセリング率が低い、教育体制が未整備)
  • それを解決するにはどんなタイプが必要か?
  • 既存スタッフとどう組み合わせればチームが強くなるか?
  • 将来どんな組織にしたいか?(マネジメント型?専門特化型?)

また、性格面も重要です。たとえば「素直」「前向き」「責任感」「自己成長意欲」など、医院のカルチャーに合った要素を言語化し、それに沿った質問を面接で投げかけると効果的です。

求める人物像は採用活動全体の“軸”になる

この人物像が明確になると、以下すべてが一貫して設計できるようになります:

  • 求人票やスカウト文での訴求ポイント
  • 面接時の質問設計と評価基準
  • 入職後の育成方針や役割分担
  • 定着支援のキャリアパス設計

結果として、ミスマッチによる離職が減り、「この医院で長く働きたい」と感じてくれる人材と出会いやすくなります。

2. 媒体選定と最適化 – 特性を理解し、戦略的に使い分ける

歯科衛生士の採用でまず重要なのは、「どの媒体で募集をかけるか」の選定です。媒体ごとに特徴が異なり、対象となる層も変わってきます。そのため、求人媒体をなんとなく使うのではなく、自院の採用ターゲットに合った媒体を選び、目的に応じて適切に最適化することが求められます。

◆ 主要媒体の特徴と活用法

媒体名特徴おすすめ用途
ジョブメドレー登録者が多く、若手〜中堅が中心。スカウト機能の開封率が高い。スピード感のある採用、積極的に転職活動をしている層へのアプローチ。
GUPPYベテランや復職希望者も多く、落ち着いた層に届く。経験者採用や、職場復帰を支援したいとき。
Indeed幅広い検索導線があり、掲載無料も可能。検索対策(SEO)に知識が必要。低予算でも露出を広げたいとき、幅広い層を対象にする場合。

これらに加えて、近年はInstagramやTikTokなどのSNS活用も無視できません。Z世代の求職者は、媒体で応募する前に、必ず「医院名で検索」して雰囲気や人間関係を確認する傾向があります。Instagramでは「スタッフ同士のやり取り」や「仕事終わりの様子」、「医院の清潔感や設備」などを投稿することで、「楽しそう」「働きやすそう」といった安心感を伝えることができます。

3. スカウトの重要性と文面の工夫 – 「共感」と「個別対応」が鍵

求人を出しても応募が来ない、あるいは応募はあってもすぐ辞退されてしまう。  そうした悩みを抱える医院が増えている中、今の採用成功には「スカウト」が必須になりつつあります。特にジョブメドレーやGUPPYなどのスカウト機能は、ただ求人を出すだけの“待ち”の採用から、医院側から出会いにいく“攻め”の採用へと転換できる手段です。

しかし、スカウトは「送れば反応がある」というものではなく、文面次第で返信率が大きく変わるのが現実です。テンプレートのまま送っても読まれずに終わる可能性が高いため、スカウトは“一通一通がラブレター”と捉えて丁寧に書くべきです。

成功事例はこちら

◆ スカウト文面で押さえるべき4つのポイント

マニュアルはこちらです。

  1. 件名で興味を引く
    • 「〇〇様のご経歴に惹かれ、ご連絡いたしました」
    • 「お子様との両立を大切にされたい方に最適な環境です」

 まず開封されなければ何も始まりません。名前を入れる、相手の価値観に寄り添う表現を盛り込みます。

  1. 導入文で共感を伝える
    • 「プロフィールを拝見し、◯◯のご経験がとても素晴らしいと感じました」
    • 「当院でも予防歯科に力を入れており、共通する価値観に惹かれました」

 事務的な紹介ではなく、“あなたにだから伝えたい”という姿勢が大切です。

  1. 医院の特徴と相手の希望の接点を示す
    • 「当院では時短勤務やシフトの柔軟性が高く、子育て中のスタッフも安心して働いています」
    • 「新卒でもしっかり育てる教育体制を整えているため、ご安心ください」

 相手の経歴や希望条件に合わせてカスタマイズすることで、共感と興味を引き出せます。

  1. 強引な誘いではなく、安心感ある“次の一歩”を提案
    • 「まずは医院見学だけでもいかがでしょうか?」
    • 「カジュアル面談でお話しだけでもしてみませんか?」

 Z世代は“選ばれること”に敏感です。「あなたの意思を尊重しています」という姿勢が信頼を生みます。

◆ 実際の返信率改善事例

ある医院では、スカウトの文面をテンプレートから「個別対応型」に切り替えた結果、返信率が7.5%→22%に向上。応募者とのやりとりが活性化し、1ヶ月以内に採用決定に至りました。

成功事例はこちら

4. 採用サイト・LPの充実

  • 医院理念やビジョン
  • スタッフの一日
  • 教育・研修制度
  • 福利厚生と働き方
  • 写真・動画を活用してリアルさを出す

AMIが支援した医院では、採用サイトに院長動画・スタッフ座談会の動画を入れたことで、応募数が従来比3.2倍に増加しました。


Step2. 選考プロセス(動機づけ&クロージング)

1. 応募後のスピード対応

応募から48時間以内の返信は必須。LINEを活用すればスピーディーかつ柔軟な対応が可能です。

2. 面接=“相互理解の場”に

  • 「今の仕事の不満」や「将来の理想像」など、深く聞き出す質問設計を
  • 医院側も、ビジョン・チーム体制・将来的な役割を丁寧に伝える

3. 見学・体験入職の設計

見学→半日体験→1日体験など段階的な接点を用意することで、ミスマッチを防ぎ、入職後の定着率が高まります。


Step3. 定着・活躍支援

1. 評価制度の構築と公開

評価軸内容
スキル口腔ケア、保険診療、接遇など
行動報連相、協調性、リーダーシップ
数値リコール継続率、予約枠消化率

定量・定性の両方から評価し、評価と昇給・表彰を連動させると、Z世代のやる気に繋がります。

2. 育成とメンタリング制度

  • 教育担当者を設定(メンター制度)
  • 院内マニュアル+動画+e-learningの整備
  • 週次での面談・フィードバック

新人衛生士が「不安をため込まない」仕組みづくりが重要です。

3. キャリアと将来像の提示

  • 認定歯科衛生士の取得支援
  • 3年後には教育係や主任を任せるプラン
  • 目標設定とフィードバック面談(四半期ごと)

4. 働きやすさの可視化

  • 有休取得率、残業時間、産育休の実績を数値で示す
  • スタッフルームの改装、パウダースペース導入など「小さな改善」が効果大
  • デジタルツール(予約管理・問診票・日報)の導入で業務負荷軽減

5. チームPJへの参画

例:

  • 小児矯正のカウンセリング強化PJ
  • ホワイトニング推進チーム

自分のアイデアが形になる経験は、Z世代の「承認欲求」「貢献実感」を満たします。


コンサルタントの活用で仕組み化を加速させる

採用戦略から育成・定着・評価までのフルサイクルを、すべて院長1人で担うのは現実的ではありません。だからこそ、外部の専門家の力を借りて、「採用の仕組み」を作ることが、長期的な医院経営において重要です。

AMIでは、以下のような支援を提供しています:

  • 採用戦略設計(ターゲット設計・媒体最適化・スカウト文面支援)
  • 採用LPや採用動画の企画制作
  • 面接代行・評価制度設計
  • 院内研修体制・マニュアル構築
  • キャリアパス設計・モチベーション設計

「人を雇う」から「人が育つ仕組みを作る」へと、視点を転換してみませんか?


まとめ:採用の成功は「仕組み」と「共感」で決まる

採用とは単なる「求人票作成」ではありません。医院の文化・魅力・成長機会を、求職者の価値観に合わせて伝える“設計”の積み重ねです。

最後に、歯科衛生士採用を成功させるための要点を整理します:

  • 「誰を採用したいのか」を明確にする
  • 求職者に“響く”情報を設計・発信する
  • スカウト文面は「共感+会話誘導型」で構築
  • 採用後の育成・評価制度も整える
  • 院内PJやキャリア設計で「成長実感」を与える

「来てくれた人をどう活かすか」まで見据える医院こそ、これからの時代に生き残ります。


必要に応じて、AMIにご相談ください。採用は“技術”であり、“再現可能”なものです。ともに「採用強者」医院を目指しましょう。

当社の採用支援はこちら。