「勤務医を採用したいが、給与をいくらに設定すればいいかわからない」
こう悩む歯科医院の院長・事務長は少なくありません。ネットで「勤務歯科医師 給与」を検索しても出てくるのは応募者向けの求人情報ばかり。「どうやって給与を設計するか」「歩合はどう組むか」「退職金はどうすべきか」——院長が本当に知りたい情報はほとんど見つかりません。
採用時に給与設計を間違えると、後から修正するのは非常に困難です。「高く設定しすぎて経営を圧迫している」「辞めると言われても引き止める手段がない」「歩合を入れたら診療の質が落ちた」——こうした悩みは、設計段階での失敗が原因であることがほとんどです。
本記事では、歯科医院の経営コンサルティングを専門とするAMIが、支援医院のデータをもとに、勤務歯科医師の給与体系設計を実務目線で解説します。
この記事を読むとわかること:
- 経験年数別の給与相場(2026年版)
- 勤務医の月間売上から逆算する「適正給与」の計算方法
- 歩合率の正しい設計方法と3つの落とし穴
- Z世代スタッフに効くチームプロジェクト型インセンティブ
- 雇用契約書に必ず明記すべき5項目
- 退職金制度の3つの選択肢と院長向け比較
- 分院展開・M&Aを見据えた評価制度と給与設計の連動
勤務歯科医師の給与相場【2026年版】
経験年数別の月給相場
まず前提として把握しておきたいのが、勤務歯科医師の給与水準の「今」です。厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、雇用されて働く歯科医師の年収は約1,136万円(男性 約1,301万円、女性 約716万円)です。ただしこの数字には法人の院長・分院長などの役職者も含まれます。役職者を除くと約977万円(平均34.7歳・勤続4.2年)で、こちらが一般的な勤務医の実感に近い水準です。
※企業規模10人以上の事業所で働く一般労働者。年収は「きまって支給する現金給与額(2024年6月分)×12+年間賞与その他特別給与額(2023年1年間)」で算出。出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別の統計表(e-Stat)
数年前と比較すると、勤務医の給与水準は大幅に上昇しています。かつては1年目で月給25〜30万円が相場でしたが、現在は初年度でも月給35〜45万円を提示しなければ採用競争に勝てない時代になっています。
| 経験年数 | 月給目安(固定給) | 年収目安(歩合なし) |
|---|---|---|
| 1年目 | 35〜45万円 | 420〜540万円 |
| 3年目 | 50〜65万円 | 600〜780万円 |
| 5年目 | 65〜80万円 | 780〜960万円 |
| 10年目以上 | 80万円〜 | 960万円〜 |
重要なのは、この相場を「払わなければいけない最低ライン」ではなく、「採用競争に参加するための基準値」として捉えることです。これに歩合収入が加わるため、実際の年収はさらに上振れします。特に自費診療の比率が高い医院では、歩合込みで5年目以降に年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
勤務医の月間売上から逆算する「適正給与」の考え方
相場の確認と同時に、AMIが支援医院で活用しているのが「勤務医1人の月間売上」から給与を逆算するアプローチです。感覚や相場だけで給与を決めるのではなく、その勤務医が医院に生み出す売上を基準にすることで、経営として成立する給与水準を導き出せます。
AMIが支援する3つの医療法人(勤務医 約30名)のDr別データでは、勤務医1人あたりの月間売上は次のような分布でした。
| 診療スタイル | 勤務医1人の月間売上目安 | 売上の15%で見た月給目安(固定+歩合) |
|---|---|---|
| 1〜2年目(保険中心) | 150〜250万円 | 25〜40万円 |
| 保険中心(3年目以降) | 350〜550万円 | 50〜80万円 |
| 保険+自費混在 | 550〜750万円 | 80〜110万円 |
| 自費中心 | 750万円〜 | 110万円〜 |
※売上は、その勤務医が担当した患者の保険診療(歯科衛生士の処置分を含む場合あり)と自費診療の合計。AMI支援医院3法人の2025年11月〜2026年8月のDr別月次データ(院長を除く)をもとに作成。
給与の目安は「本人売上の15%前後」で置いています。例えば月間売上500万円の勤務医なら、月給75万円(固定60万円+歩合15万円など)が目安です。これを大きく超える固定給を提示すると、売上が伸びなかった月に経営を圧迫します。
一方で、1〜2年目は売上の15%で計算すると25〜40万円となり、採用相場(月35〜45万円)を下回ります。つまり新人の期間は「売上以上に払う育成投資の期間」です。この期間を何年と見込み、いつから売上比率に沿った給与へ移るのかを、入職時に本人と共有しておくことが大切です。
医院全体の「ヒト1人あたり生産性」もあわせて確認する
勤務医個人の売上だけを見て給与を決めると、見落としが生まれます。勤務医の売上は歯科衛生士・アシスタント・受付の働きに支えられているからです。そこでAMIでは、医院全体の売上をスタッフ全員の人数で割った「ヒト1人あたりの年間生産性」もあわせて確認しています。
| 評価 | ヒト1人あたりの年間生産性(医院全体) |
|---|---|
| ◎ 優秀 | 1,800万円以上 |
| ○ 標準 | 1,500〜1,800万円 |
| △ 要改善 | 1,200〜1,500万円 |
勤務医を1人増やしたり給与を上げたりした結果、医院全体がこの「△」に落ちるようなら、固定給を上げるのではなく歩合で上積みする設計に切り替えるサインです。自院の数字は売上予測シミュレーションでも確認できます。
このように「その先生に払う給与が、医院の収益構造の中で成立するか」を検証することが、採用時の給与設計の出発点になります。感覚や競合との横並びだけで決めると、採用後に経営を圧迫する事態になりかねません。
地域別の給与差と採用競争
地域によって給与水準には月5〜15万円程度の差があります。首都圏・大阪・名古屋などの都市部は高く、地方都市では若干低めが相場です。ただし「地方だから安くてよい」という考え方は、今の採用市場では通用しません。
地方医院が給与水準以外で競争するポイント:
- インプラントや審美など自費症例の経験が積める環境
- 院長による丁寧な指導・フォロー体制
- 柔軟な勤務時間・希望休が取りやすいシフト設計
- 退職金・住宅手当など福利厚生での補完
固定給と歩合給の組み合わせが主流
現在の勤務医の給与体系は「固定給ベース+インセンティブ(歩合)」が主流です。完全固定給は「頑張っても頑張らなくても同じ」というモチベーション低下を招きやすく、完全歩合制は生活不安から優秀な勤務医に敬遠される傾向があります。次章では、その歩合制をどう設計するかを詳しく解説します。
歩合制の設計方法と院長が知るべき3つの落とし穴
保険診療と自費診療で歩合率を変えるべき理由
歩合制を設計する際に最も重要なのが「何に対して歩合をつけるか」という定義です。保険診療と自費診療を一律の歩合率で計算すると、勤務医は単価の低い保険診療より利益率の高い自費診療を優先するようになります。
| 診療区分 | 歩合率の目安 | 計算ベース |
|---|---|---|
| 保険診療 | 15〜20% | 材料費・技工料控除後の売上 |
| 自費診療 | 23〜25% | 材料費・技工料控除後の売上 |
自費の歩合率を保険より5〜8ポイント高く設定することで、勤務医に自費診療へのモチベーションを持たせつつ、保険診療も疎かにならない設計になります。歩合の計算ベースを「技工料・材料費控除後」にするか「レセプト請求額」にするかでも実際の支払額が変わるため、最初に明確にしておくことが重要です。
歩合制を導入する前に決めておく4つのルール
①計算の対象と控除項目:「売上」の定義を明確にします。技工料・材料費を控除するのか、レセプト請求ベースか、実際の入金ベースかで金額が大きく変わります。
②計算・支給のタイミング:月次払いが一般的ですが、3ヶ月ごとの四半期払いにすることで短期離職を防ぐ効果もあります。
③最低保証額の設定:患者数が少ない月でも「最低○○万円は保証する」という下限を設けることで勤務医の不安を解消できます。
④歩合率変更の手続き:歩合率の引き下げは労働条件の不利益変更にあたり、本人の同意や合理的な理由がなければ無効になるおそれがあります(労働契約法9条・10条)。「見直し時期・同意手続き・事前通知期間」を就業規則に明記してください。
Z世代・次世代型:チームプロジェクト型インセンティブ
AMIが支援する医院では、特に37歳以下の勤務医・スタッフに対して、従来の「個人の働きに応じた歩合」から「チームプロジェクトの成果に応じた評価」への移行を提案しています。
| 従来型 | チームプロジェクト型(AMIモデル) |
|---|---|
| 個人の診療売上・患者数に応じた歩合 | 補綴PJT・マウスピース矯正PJTなどプロジェクト単位での目標達成に応じた賞与 |
| 「自分が稼げばいい」という個人最適になりやすい | Dr・DH・受付が連携して目標を達成する全体最適が生まれる |
| スタッフ間の給与差が不満につながりやすい | チームで動く文化が定着しやすく、若手の離職防止に効果的 |
例えば「矯正相談のクロージング率を30%→80%に上げる」というチーム目標を設定した場合、Dr・カウンセラー・受付が連動して動くインセンティブが生まれます。AMIのコンサル事例では、声掛け率を上げるだけで成約数が2〜3倍になった医院もあります。チームPJTの達成に応じた決算賞与の上積みを設計することで、個人歩合と組み合わせた二重のインセンティブ構造が作れます。
歩合制の3つの落とし穴と防ぎ方
落とし穴①:量を追うあまり診療の質が落ちる
防ぎ方:評価指標に「患者満足度・キャンセル率(目標8%以下)・リコール率(目標60%以上)」を組み込み、質の低下があった場合は歩合に影響する仕組みを作る。
落とし穴②:自費を過剰に勧めるようになる
防ぎ方:自費率20%を目標値として設定しつつ、院長が定期的にカルテをモニタリングする体制を整える。
落とし穴③:収入の不安定さから不満が生まれる
防ぎ方:季節変動を加味した最低保証額の設定と、入職時に「季節による患者数の変動」を数値で説明しておくことが重要です。
試用期間と雇用契約で最初に決めておくべきこと
「最初の設計が甘かったせいで後から修正できなかった」——これは歯科医院経営における給与トラブルの最も多いパターンです。
試用期間中の給与設定の考え方
試用期間は「お互いを見極める期間」ですが、法律上は解約権留保付きの労働契約とされ、本採用を見送るには客観的・合理的な理由が必要です。試用期間の給与目安は本採用給与の80〜90%が相場です。期間は3〜6ヶ月が一般的で、期間終了時に本採用・延長・不採用を判断します。
重要なのは、本採用判断の評価基準(何ができていれば本採用か)を事前に設計して、入職時に勤務医へ伝えておくことです。「なんとなく合わない」という理由では解雇の合理的理由になりません。
雇用契約書に必ず明記すべき5項目
①基本給と歩合の計算方法:歩合の計算式・控除項目・計算タイミングを具体的に記載。「別途相談」「実績に応じて」などの曖昧な表現は必ずトラブルになります。
②残業代の取り扱い:固定残業代(みなし残業)を設ける場合は、対象時間数と超過分の扱いを明記します。設計に不安がある場合は社労士への確認を推奨します。
③副業・競業避止義務:他院でのバイトを認めるか、認める場合の条件(競合医院NG・事前申告制など)を明記します。
④給与改定の時期と基準:「年1回、4月に前年度の評価に基づき改定する」など、予見性を持たせることで勤務医が安心して働けます。
⑤退職金制度の有無と計算方法:「退職金あり・中退共による」など、制度の存在と概要を記載します。
副業(他院バイト)は許可すべきか
副業の許可・不許可は採用競争力に直結します。若手勤務医は複数の医院を掛け持ちしながら経験を積むことを望むケースが多く、副業完全禁止は採用のハードルになります。
許可する場合の条件(契約書に明記):競合医院での勤務は禁止、月○日以内、事前申告制、疲労や診療品質への支障が生じた場合は見直し。許可しない場合は給与・休日・研修制度で補完することが必要です。
退職金制度の作り方|3つの選択肢と院長向け比較
退職金制度は義務ではないが、あると「辞めにくくなる」
退職金制度の導入は法的義務ではありません。しかし厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」では、退職給付(一時金・年金)制度がある企業は全体で74.9%、医療・福祉の業種では75.5%にのぼります(常用労働者30人以上の企業が対象)。退職金制度の最大のメリットは「定着率の向上」です。退職金は勤続年数が長いほど有利になる設計が多く、辞めることへの心理的なハードルが生まれます。
3つの選択肢を比較(中退共 / 企業型DC / 院内積立)
| 制度 | 月掛金目安 | 税制メリット | 自由度 | 向いている医院 |
|---|---|---|---|---|
| 中退共 | 5,000〜30,000円/人 | 全額損金算入 | 低 | 従業員数が少ない・手続きをシンプルにしたい医院 |
| 企業型DC | 月5.5万円まで(他の企業年金がない場合) | 掛金は全額損金(選択制DCなら社会保険料の軽減も) | 中 | 節税効果重視・スタッフの資産形成意識が高い医院 |
| 院内積立 | 自由設定 | なし | 高 | 制度の自由度を優先・少人数の医院 |
中退共(中小企業退職金共済)は手続きが簡単で掛金が全額損金算入なため、多くの歯科医院が最初に選択します。新規加入時には国から掛金の一部が助成されるため、まず検討する選択肢として最も現実的です。
企業型DCで社会保険料が下がるのは、給与の一部を掛金に回すかどうかを本人が選ぶ「選択制DC」の場合です。医院が給与に上乗せして掛金を出す通常の企業型DCでは、社会保険料は変わりません。また選択制DCは、標準報酬月額が下がるぶん将来の厚生年金や傷病手当金などが減る可能性があるため、導入時には本人への丁寧な説明が必要です。
積立額の目安と設計の実例
中退共の場合、月掛金5,000〜10,000円/人が小規模医院での一般的な目安です。月掛金10,000円で積み立てた場合の退職金の目安は次のとおりです。
- 5年勤続:約60万円
- 10年勤続:約125万円
- 20年勤続:約265万円
※掛金の累計に運用分が上乗せされます。正確な金額は中退共の退職金試算でご確認ください。
「10年勤めると100万円を超える退職金がある」という事実は、転職・独立を考えている勤務医の意思決定に影響します。採用面接時にこの数字を具体的に伝えられる医院と、退職金制度がない医院では、長期定着の可能性に差が生まれます。
複数の勤務医がいる場合の給与差のつけ方
シカラボ評価制度4.0:データで差をつける新しいアプローチ
「なんとなく年次順」で給与を決めると、5〜10年後に給与テーブルが硬直化し、優秀な若手が正当に評価されない問題が起きます。AMIでは、複数医院を支援する中で「シカラボ評価制度4.0」と呼ぶデータドリブンな評価設計を提案しています。
| 項目 | 従来の評価制度 | 評価制度4.0(AMIモデル) |
|---|---|---|
| 評価基準 | 院長の主観・年次 | 定量70%+定性30%の明文化された基準 |
| 評価サイクル | 半年に1回 | 毎月まわる(データで随時確認) |
| 賞与との連動 | 院長判断で手動 | 達成度が賞与係数に自動連動 |
| 評価の土台 | 感覚・印象 | Dr別生産性・自費率・KPI実績データ |
定量70%の評価軸の例:新患数・自費率・リコール率・キャンセル率・1人あたり生産性。定性30%の評価軸:患者対応・チーム貢献・院内教育への関与など。これらを職種別グレード体系と紐づけることで、「なぜこの給与か」を勤務医に説明できる状態を作ります。
評価制度4.0の設計方法や、評価・集計へのAI活用、実際の運用事例は、12月2日(水)20時からのオンラインセミナー「開業6年で売上6億!スタッフが自ら動き出す『シカラボ評価制度4.0』導入セミナー」で詳しく解説します。
Dr別成績表の活用
AMIが支援する医院では、「Dr1人=1枚のスコアカード」を毎月作成して運用しています。スコアカードに含む指標の例:
- 月間売上(保険 / 自費の内訳)
- 自費率(目標20%以上)
- 新患獲得数(チェア1台あたり6〜8名 ○ / 8〜10名 ◎)
- キャンセル率(目標8%以下)
- リコール率(目標60%以上)
- ユニット1台あたりの生産性(◎250万円以上 / ○200〜250万円)
このスコアカードをDr面談の場で共有することで、「なぜ給与差がついているか」「何を改善すれば給与が上がるか」を客観的に伝えられます。感覚的な評価による不満を防ぎ、勤務医が自律的にKPIを意識して動く文化が生まれます。
分院展開・M&Aを見据えた給与設計の視点
分院展開や第三者承継を将来の選択肢として考えている院長にとって、給与設計は「今だけの話」ではありません。AMIが提唱するのは、企業価値を高めるための組織設計の段階的な移行です。
- 1.0 院長中心:院長の判断と実力で回っている段階(今の多くの医院)
- 2.0 チーフ中心:チーフDHや副院長がオペレーションを担う段階
- 3.0 組織(成果)中心:評価制度・KPIで誰でも動ける仕組みが回っている段階
企業価値は「属人性の低さ」で決まります。院長が関与しなくても医院が回る状態、つまり3.0の組織が、M&Aや分院展開の際の評価を高めます。適切な給与・評価制度の設計は、今の採用・定着だけでなく、将来の出口戦略にも直結しているのです。
給与設計でよくある失敗3パターンと対策
失敗①:採用競争に勝とうと給与を高く設定しすぎた
一度提示した給与の引き下げは、本人の同意なしには原則としてできません。
対策:固定給は「勤務医の月間売上から逆算した許容ライン(売上の15%前後)」で設計し、歩合で上積みできる仕組みにします。
失敗②:歩合制を導入したら保険診療の質が落ちた
売上だけを評価する歩合制は必ず品質問題を引き起こします。
対策:歩合の評価にキャンセル率(目標8%以下)・リコール率(目標60%以上)などの品質指標を組み込みます。AMIが支援する医院では、これらのKPIを毎月データで確認する運用を導入しています。
失敗③:退職金制度がなく、長期勤務のインセンティブがなかった
育てた勤務医を独立・転院で失うケース。引き止める手段がない。
対策:入職時から中退共などの退職金制度に加入し、採用面接の段階から「退職金制度があること」を具体的な金額とともに伝えます。
まとめ
勤務歯科医師の給与設計は「採用できればよい」という視点だけでは不十分です。本記事のポイントを整理します。
- 給与相場は上昇しており、1年目で月35〜45万円が現在の採用基準
- 勤務医の月間売上から逆算した「許容給与ライン」(売上の15%前後)を先に設計する
- 医院全体の「ヒト1人あたり生産性」が下がらないかもあわせて確認する
- 歩合は保険と自費で率を変え、品質指標(キャンセル率・リコール率)も評価に組み込む
- Z世代向けにはチームプロジェクト型インセンティブを組み合わせる
- 雇用契約書には給与計算方法・残業・副業・退職金を必ず明記
- 退職金制度(中退共が最も導入しやすい)は定着率向上と採用差別化に直結
- 評価制度4.0(定量70%+定性30%・毎月サイクル)で給与差を「説明できる状態」にする
- 分院展開・M&Aを見据えた組織設計として給与・評価制度を位置づける
給与体系は一度設計したら終わりではなく、医院の成長・スタッフの変化に合わせて定期的に見直すことが重要です。「今の給与体系が適切かどうか確認したい」「評価制度から設計し直したい」という方も、ぜひAMIの無料相談をご活用ください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 勤務歯科医師の適正な給与水準は?
A. 経験年数・地域・歩合の有無によって異なりますが、目安として1年目は月35〜45万円、3年目は月50〜65万円、5年目以上は月65万円〜が相場です。ただし相場だけで決めるのではなく、「勤務医1人の月間売上の15%前後」という許容ラインと照らし合わせることをおすすめします。
Q. 歩合制にすると診療の質が下がらないか?
A. 歩合の評価指標を「売上のみ」にすると質低下のリスクがあります。キャンセル率(目標8%以下)・リコール率(目標60%以上)など複数の品質指標を組み合わせることで防げます。保険診療と自費診療で歩合率に差をつける設計も有効です。
Q. 退職金制度は義務ですか?
A. 法的義務はありませんが、厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」では、医療・福祉の業種で75.5%の企業が退職給付制度を設けています(常用労働者30人以上の企業が対象)。中退共(中小企業退職金共済)を活用すると掛金が全額損金になり、最も導入しやすい選択肢です。
Q. 勤務医の他院バイトは許可すべきですか?
A. 許可することで採用競争力が上がる一方、疲労や情報漏洩のリスクもあります。許可する場合は「競合医院NG・事前申告制・上限日数」を雇用契約書に明記することが重要です。
Q. 試用期間中の給与はいくらに設定すればよいですか?
A. 本採用時の給与の80〜90%が相場です。試用期間中でも本採用の見送りには合理的な理由が必要なため、評価基準と本採用判断の手続きを雇用契約書に明記してください。
Q. 複数の勤務医の給与差はどうつければよいですか?
A. 年次だけで決めると5〜10年後に硬直化します。定量70%(生産性・自費率・KPI)+定性30%(患者対応・チーム貢献)の評価基準を明文化し、Dr別スコアカードで毎月確認する運用が、納得感のある差のつけ方につながります。